思い出に浸るのはあんまり好きじゃない
関東初雪らしい。
昨夜泊まった友人がお昼頃帰った痕跡を横目にカーテンから差し込む薄暗い光を眺めていた。
毎年センター試験の日には雪が降るジンクスがあるが、今年も案の定。
懐かしい気持ちというよりかは、悪い夢の後のような、少し気持ち悪い気分になる。
というのも、僕はこの試験でオオコケして、志望していた大学に行けなかったからだ。
でも、天気の悪い日、薄暗い日が好きなのは、センター試験のせいだと思う。
嫌な思い出である一方で、慎みを忘れないように、背筋を伸ばす、僕自身への戒めでもあるのだ。
ピリッと張り詰めた冷たい空気が僕の体の中に入ってくる。
足元が濡れていて、滑りやすくなっている地面を蹴って、駅へと向かう。
受験生頑張れなんてそんな大そうなことはもう言えない年齢になってしまった。
あの頃の僕に負けないように、大学に落ちた僕を慰めるように、今日も僕は包丁を握って、美味しい料理を作る。
お客様、僕の手はペンよりも包丁の方が似合ういますか?
散文詩のような羅列した文章になってしまった。すみません。
寒いので、さっさとタバコを吸ってしまって、部屋に戻ろう。