コンタクトレンズをつけたまま寝る
カラスは夕方の訪れを告げる鳥だと思っていた。歌があるでしょ。夕暮れぽいから。
そんなカラスの鳴き声で意識が戻る。
やたら明るい携帯の画面に目を眩ましながら、恐る恐る時刻を確認する。
またやってしまった。
目覚ましが鳴っていた夢に苛立っていたが、あれは紛れもない現実だった。
昨日のことを思い出し、悪くない気分でもう一度横になる。
またカラスが鳴いた。
僕はカーテンを開けて外に出た。
あの子の吐息みたいに生暖かい風が、僕の寝ぼけた顔を撫でる。
目が乾燥する。
そういや、コンタクト外してなかった。