例えばの話
僕が今日死んだらどうなるんだろう。
親は泣くのかな。
友達は僕のギターを鳴らしてくれるのかな。
バイト先は困るってことは想像つく。
でも大学の授業は淡々としているはずだ。
授業はさぼっても、バイトには行ってしまうあの違和感がなんとなくわかった気がする。
失くして初めて気付くという言葉がある。
何度もそういう経験があるが、そこからなにか得られたかというとそれはまた違う気がする。
人は所有したがるし、出来る限り多くのものを墓場に持っていきたい生き物だ。
代わりがきかない、とか、かけがえのない、とか、そういう言葉も人の欲の権化かもしれない。
ちょっと話が変わって、僕には夢がある。
素敵な奥さんと素敵な家庭を持って素敵な素敵な生活をすることだ。
強欲極まりない、最高な夢だと我ながら思う。
欲しがった人にしかそれは得られない。
想像出来ないことは出来ない。
例えばの話だ。
僕が今日死ねたら、僕の周りの人はどうなるんだろう。
想像できない。
だからまだ死ねない。
例えばの話だ。
僕はまだ生きたい。