リップヴァンウィンクルの花嫁
をみた。
邦画をみてイイオモイをした経験が少ないので、敬遠していた。
案の定「明日も頑張っていきるぞ」とはならなかった。そもそもそんな期待もしてない。
約3時間に及ぶ、比較的長い映画だから、
最後まで見れただけで満足まである。
登場人物に自分を重ねるのが、物語に集中する術だと心得ている。
自分事にしないと、つまらない。
共感を呼ぶ作品が「売れる」ことはここに起因するのだろう。
僕が邦画が苦手な理由はここ。
吐き気とたたかいながら、映画をみるのは気が引ける。
現実に近い虚構。
違和感がない違和感。
作家はこの世を逸脱した者、と言われる所以だろう。
視点が異なる、というよりは、
現実をみつめる力、書き起こそう、世に起こそうとする力。
こいつがすごい。
今自分が東京に住んでいる違和感に、
今自分が当たり前のように煙草を吸っている違和感に、
気づかされる。
今はただ、
ただひたすらに、
両の手のひらを合わせて、
今夜一人眠る違和感、
朝起きて顔を洗う違和感、
その他諸々気持ち悪い事象に
疑念を抱かないことを
願う。